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大会長挨拶

日常の生活とトラウマティック・ストレス

当学会は、2002年3月に設立して二十年がたちました。人類の長いトラウマの歴史において、それはほんの最近の、短い期間ではありますが、この間に生きた我々は随分たくさんのトラウマティック・ストレスに見舞われ、向かい合い、時を重ねてきたように思います。平均寿命が八十年を大きく超える現代の日本で、その生を全うすることは、すなわちトラウマをいくつも抱えるということなのでしょう。

これまで我々が学んできたトラウマ、特にPTSDの診断基準に反映されたトラウマは、戦争やレイプ被害という非日常的な体験や被害を背景に検討が始められました。その重大な問題に気づくには、おそらく非日常的であることが必要であったに違いありません。通常は起こらない(と思っている)戦いや事件や災害において特別に起こる衝撃をトラウマとして我々はみつめてきました。

しかし、学びを重ねた我々は、平穏を切り取ってしまうトラウマも、実は日常の生活の中にあることに気づいてきました。災害は、あたりまえの日々を送っているある時に突然起こります。事件や事故は、いつもの通勤通学や仕事の最中に遭遇します。虐待やDVやジェンダーのストレスに至っては、それ自体が毎日の生活そのものです。そして、トラウマを抱えたまま、大切な人との離別や耐えがたい悲嘆を経験します。そのような生活の中にある出来事にも、PTSDのような反応や、なかなか治らないうつや不安や、人格の変化まで及ぼすほどの威力があり、依存症やひきこもりや加害者にさえなりえてしまいます。一方、サバイバーという表現があるように、ひどく高いストレスやトラウマに曝されながらも、生活の営みを継続していくことも珍しいことではありません。日常の生活にあり、その中で症状化したり重大化したり、あるいはサバイブしたりするトラウマについて、さらに考えてみたいと思います。

COVID-19の猛威に見舞われて3年目を迎える生活の中で、今大会を東京都八王子市で開催させていただきます。‘withコロナ’と言うのだそうですが、重大なストレスを日常に包含する生活の中で生きていくこともまた、我々の力としたいと思います。開催方法は、可能な限り八王子市にご参集いただけるように準備を致しておりますので、足をお運びいただけるのであればぜひお越しいただき、ご来場が叶わぬ皆様にはWEBでご参加下さいますようお待ちしております。ディスカッションできる時間が回復することを心より願って。

第21回日本トラウマティック・ストレス学会
大会長
 笠原 麻里

第21回日本トラウマティック・ストレス学会